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バックパッカーAとBの記録

弱小バックパッカーたちの旅行記

There and back again



2012/12/01 - B - Tokyo, Japan

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2012年12月。就職を目前に控えた俺は卒業旅行をどうしようか考えていた。海外旅行なんてお金がかかるし、自分には関係ないと思っていた。

だけど調べてみると思いのほか航空券は安いし、やりようによっていくらでもお金は切り詰められることはわかった。

高校の頃から漠然と夢見ていた旅路が、現実味を帯びてきた。

イブン・バットゥータ

高校の世界史の授業でこの偉大な旅行家の名前を聞いて以来、いつも心の片隅には彼、バットゥータがいた。14世紀に生きた彼は「三大陸周遊記」という本を残した。

一般的には「旅行記」の呼称で知られるこの本だが俺は三大陸周遊記と習い、その響きに打ち震えた。

 

就職前の、最後のモラトリアムに際し俺はこの真似事がしたくなった。彼がやったように、陸路と海路だけで異国の地を「周遊」したくなった。

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There and back again

欲を言うなら、いつまでも終わらない旅をしてみたい。だけど、就職先は決まっているし、戻るべき生活がある。

仮に戻るべき生活がなかったとしたら、きっといつまでも旅を続けていただろう。だけど、旅が日常になったとき、旅を続ける原動力を失ってしまうのではないだろうか。

むしろ、戻るべき生活があるからこそ、いろんな土地で、風景を見て、人に触れ、食べ物を食べ、酒を飲むという行為が引き立つし、それらの経験が戻ってからの生活を豊かにするのではないかと思えた。

「どこか」にいた自分が、今ちゃんと「ここ」に戻っている。口にはださねど、俺には俺だけの景色がある。

この旅でそんな自負を持てる人間になりたいなと思った。

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ローマからマドリード

初めて行く海外は、イタリアにしようと思っていた。世界遺産の数が世界一多く、ローマをはじめイタリアの諸都市は歴史でよく学んできた。食文化だって慣れ親しんでる。それに細長い形で旅の経路も一筆書きが出来そうなのもよかった。

しかし「周遊」がキーワードであるだけに、イタリアだけで終わらせるつもりはなかった。

そうだ、ユーラシア大陸最西端のロカ岬をゴールにしよう。しかし、旅に当てられる日数は3週間しかなかった。

ロカ岬を目標とすることは旅全体を移動するだけのものにしてしまう恐れがあった。それなら、その途中で一度区切ろう。マドリードまで行こう。

 

海外に行ったことなんてないからどの街でどれだけ時間をかけるか想像がつかない。

それなら現地に行ってから考えよう。宿も、次の街がどこかも。

旅の終わりの日だけ決めて後はその時考えよう。

俺は出国便である成田outローマinと、帰国便であるマドリードout羽田inの航空券を購入した。

 

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